骨盤底のトラブル

解決の糸口を見つける

繰り返す膀胱炎(反復性膀胱炎)

診断と治療

 【原因】膀胱炎の原因は尿道から細菌が膀胱に入っていく、逆行性の細菌感染症です。陰部(特に尿道周囲)の攻撃因子と防御因子のせめぎあいを考えるとわかりやすいと思います。

 攻撃因子は細菌そのものであり、細菌の量が増える状態(性活動など)があります。

 防御因子として重要なのはマイクロバイオームです。陰部や腟内には乳酸菌類(ラクトバチルス、ディーデル桿菌など)によりマイクロバイオームが形成され、乳酸菌類の強力な酸性効果によりPHが5以下に保たれ、大腸菌などの雑菌は生きていけません。このマイクロバイオームを栄養するのが陰部の「潤い」です。

 【陰部の潤いの減少の理由】腟粘膜や尿道周囲粘膜は性ホルモンの影響を強く受け、性ホルモンの減少で粘膜萎縮が起こります。粘膜萎縮に伴い、陰部の乾燥が進み、マイクロバイオームの活性が低下するため乳酸菌類の活性が低下します。結果、陰部の酸性状態からアルカリ化が進み、大腸菌などが感染の機会をうかがっている状態と言えます。粘膜はまたストレス(過労、疾患、など)にも敏感で、ストレスで口内炎、胃炎、目の結膜炎など体験されている方もいらっしゃると思います。

 【膀胱炎メカニズムまとめ】性ホルモンの減少→尿道周囲・腟粘膜の萎縮→潤いの低下→マイクロバイオームの変化(乳酸菌類の活性低下)→酸性力が低下 → 細菌が繁殖し膀胱内に侵入

 【ピルなどの影響も】ピルは月経困難症などにとても有効な治療です。若い女性の繰り返す膀胱炎の方の中には、ピルを飲み始めて1年以上してから膀胱炎が始まった方も散見されます。ピルと繰り返す膀胱炎とはエビデスンスレベルで語られていませんが、エストロゲン(エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類)の微妙なバランスが粘膜に影響を及ぼしている可能性があると感じています。個人の印象です。

 【膀胱炎対策】繰り返す膀胱炎の治療はその都度、「抗生剤の内服」ではないことはお分かり頂けたのではないでしょうか?

 大事なことは膀胱炎にならない環境づくりだということです。

  • 性生活でお互いシャワーなどで攻撃因子を洗浄
  • 排尿の後、ビデなどで洗浄しすぎると、潤いが流され、乾燥の原因となる可能性があります。
  • 乾燥感がある方はワセリンなどで保湿対策

 毎回性生活で膀胱炎になる方は、乳酸菌の腟内投与なども有効だと感じています。また、更年期以降の方はホルモン補充やレーザー治療による治療が有効です。

 【診断】繰り返す膀胱炎だからといって、すぐホルモン療法!レーザー治療ではなく、膀胱がん、間質性膀胱炎、尿道憩室、骨盤筋筋膜性疼痛などを除外することも重要です。GSMと安易に診断されレーザー治療などが行われ、膀胱がんや間質性膀胱炎が見逃されている方がいらっしゃいます。

 繰り返しになりますが、「膀胱鏡」など適切な検査を受けていただきたく思います。

治療

  • 保湿
  • 性ホルモンの補充
  • インティマレーザー®による粘膜再生 
  • など

前立腺がん手術後のトラブル

尿失禁(尿漏れ)とED

手術に伴う合併症にも前向きに

手術後問題となる尿失禁(尿漏れ)対策

  • 骨盤底リハビリテーション      (自費診療)
  • 磁器刺激療法(スターフォーマー®) (自費診療)
  • PRP(多血小板血漿)治療      (自費診療)
  • 人口尿道括約筋           (保険診療)

ED (自費診療)

  • 薬剤                  
  • 磁器刺激療法(スターフォーマー®)   
  • レーザー治療(インティマレーザー®)   
  • Vigor®                  

間質性膀胱炎/膀胱痛症候群

IC/BPS

保険診療で

  • 薬剤
  • 膀胱水圧拡張
  • DIMSO

自由診療で

  • ヘパリン注入
  • 高分子ヘパリン注入 など

骨盤痛症候群

骨盤筋筋膜性疼痛症候群

下腹部の不快感、陰部痛など慢性前立腺炎や骨盤痛症候群と診断され内服加療を受けておられる方も多いと思います。

原因

座り仕事が多い方は特に、内閉鎖筋が原因となっていることが多いです。

診断

  • 内診あるいは直腸診にて骨盤内の筋肉あるいは筋膜などに圧痛(トリガーポイント)がないか調べます。また、筋委縮や筋運動を超音波検査で確認することもあります。

治療

  • 骨盤底リハビリテーション
  • セルフマッサージの指導
  • 薬剤治療 など