ENKA設計、花井円香氏に当院設計への想いを頂いた。

目指したのは
「はんなり、柔らかな診療所」
お話をいただいたとき。日本橋という立地、人に寄り添う医療、安倍先生の柔和なお人柄、全てに共感し、納得し、未来の診療所設計がスタートしました。
ここに誕生するのは今までとはちょっと違う泌尿器科。
老若男女問わず、骨盤底のトラブル予防、改善、リハビリ、術後のアフターケアなど、幅広く患者様のご期待に添える診療所です。
最新の医療設備を整え、QOLの向上を目指した最新技術も提供できる診療所ですが、広く多くの患者様に気軽にお越しいただけるよう、敷居が高すぎず親しみやすく優しい空間づくりを心掛けました。 一般的な診療所のイメージとは異なる、はんなり、柔らかな空間を目指し、意匠設計や素材選びを行いました。
1ファサード(外観)
日本橋という歴史文化のある立地、老舗ビルの一角に開業、ということでしたので、その立地環境にふわさしい品性を和の柔らかさを取り入れ、患者様や通行する方々への認知、親しみやすさを心掛けてデザインしました。
地下鉄通路から診療所玄関にむかって最初に目に入る壁には、ビルの案内板にも使用されている色と同系色の小紋風タイルで印象付けます。
鮮やかさを押さえた色味の青緑色のタイルは優しさと爽やかさを演出します。サインの桜色との相性も良好です。
縦格子と化粧梁は、安倍先生ご出身地の京都をイメージして数寄屋風にシンプルに。
モノトーンを基調としたビルのイメージを損なわないよう配慮し、落ち着いた濃茶としました。


2受付
入って正面は純白の壁にピンクと紺のシンボルロゴ。
正面壁は診療所サインが引き立つように装飾は施さずシンプルに引き算で。
安倍先生の志のとおり、まっすぐ、純な医療をご提供できる診療所、という確かな安心感を表現しています。
ビルテナントの為、天井は決して高くないのですが、浅めの折上げ天井とし、デザインモチーフの格子を用いて、全体をしっとり和の空間に仕上げています。
カウンターは使いやすくすっきりとしたデザインとし、わびさびを感じる素朴な風合いの縦格子のタイルを貼り、患者様とスタッフの方との円滑な応対の場にふさわしい落ちつきを生みます。
照明計画はリラックス効果のある暖色系を採用しています。
間接照明で空間にメリハリをつけ、アクセントにゆらぎのあるランプの連灯で、全体を柔らかくまとめています。
ランプはインテリアデザインに合わせてオーダーした一点もので、手仕事感のある吹きガラスが空間に深みと華やかさ、品格を添えました。

3待合ゾーン
まず第一に、患者様が心を落ち着け、ゆったりした待ち時間を過ごせるように落ちついた内装材をコーディネートしました。アクセントの壁紙は、青緑の幾何学柄で、インテリア全般の統一感を出しました。椅子やソファはシンプルに自由に配置換えできる使い勝手がよく、座りやすいのものを。張地も和調で肌触りが良く、清掃時にも薬品に強い素材を採用しています。
壁はマグネットが使用できるボードを下地にしているので患者様への貼紙などスタッフの方が気軽に対応できるように工夫しています。


4リハビリ・処置室ゾーン
縦格子と行燈風照明を多用し、旅館のようなやすらげる雰囲気を作りました。建具は天井までの高さとし、使い方次第で間仕切り壁にもなります。
今後ご提供される診療科目の発展に対応できる可変性を持たせています。
医療機器類を多数配置すること踏まえ、化粧鏡や手洗い鉢だけでも遊び心のある和める商品をセレクトしています。




5.水回りなど
泌尿器科なので採尿室は最新の機能的な設備が備わっています。
そんな中でも、益子焼の手洗い器や曲木化粧鏡、障子ランプなどを採用し、和の落ちつきを演出しています。
手洗器はリバビリコーナ―、採尿室共に益子焼の一点ものです。安倍先生自ら陶芸作家のアトリエにも足を運んでいただき、作り手との対話の中で温かみのある作品を選定しました。
建築材料、設備に何を選ぶかで、空間の質が変わります。豊かな空間を目指し、時間、ご予算の許す限り、一つ一つ吟味して選定しています。
患者様やスタッフの方に愛着を感じていただき、居心地のよい空間になれば嬉しく思います



