反復性膀胱炎 ~AUAガイドライン2022~

反復性膀胱炎(Recurrent Uncomplicated Urinary Tract Infections: rUTI 繰り返す膀胱炎)は更年期女性の世界中で大きな問題となっていると思われます。

AUA(アメリカ泌尿器科学会)より2022年版の要約を日本語訳にしています。臨床医向けなので難しいところがありますが、ガイドラインに沿って治療って行われるんだなーと思って頂けるかと思います。

※ Recurrent Uncomplicated Urinary Tract Infections in Women: AUA/CUA/SUFU Guideline (2022) – American Urological Association (auanet.org)

評価

  1. 臨床医は、rUTIを呈する女性の病歴を取得し、骨盤内の検査を行うべきです。(臨床原則)
  2. rUTIの診断を行うために、臨床医は以前の症候性エピソードに関連する尿培養陽性を記録する必要があります。(臨床原則)
  3. 初回の尿検体が汚染(腟分泌など)の疑いがある場合、臨床医はカテーテル尿検体の採取を考慮して再度尿検査を行うべきです。(臨床原則)
  4. rUTIを呈する患者において、膀胱鏡検査および上部尿路画像検査はルーチンに行うべきではありません。(専門家の意見)
  5. 臨床医は、rUTI患者の各急性膀胱炎エピソードごとに治療開始前に尿検査、尿培養および感受性試験を行うべきです。(中等度の推奨;エビデンスレベルC)
  6. 臨床医は、選択されたrUTI患者に対し、尿培養を待つ間の急性エピソードに自己治療(セルフスタート治療)を提案することができます。(中等度の推奨;エビデンスレベルC)

無症候性細菌尿

  1. 臨床医は、無症候性のrUTI患者において、尿検査(尿培養を含む)を省略するべきです。(中等度の推奨;エビデンスレベルC)
  2. 臨床医は、ASB患者を治療すべきではありません。(強い推奨;エビデンスレベルB)

抗生物質治療

  1. 臨床医は、女性の症候性UTI治療のために、第一選択療法(例:ニトロフラントイン、TMP-SMX、フォスフォマイシン)を地域の抗菌薬感受性データに基づいて使用するべきです。(強い推奨;エビデンスレベルB)
  2. 臨床医は、rUTI患者の急性膀胱炎エピソードを治療する際、できるだけ短い抗生物質の使用期間(一般的には7日間以下)を推奨するべきです。(中等度の推奨;エビデンスレベルB)
  3. 経口抗生物質に耐性を示す尿培養に関連する急性膀胱炎エピソードを経験するrUTI患者において、臨床医は、可能な限り短い期間、培養に基づいた経静脈抗生物質治療を行うことができます。(専門家の意見)

抗生物質予防

  1. リスク、利益、および代替案について議論した後、臨床医は、以前UTIと診断された全ての年齢の女性に将来のUTIのリスクを減少させるために抗生物質予防を処方することができます。(条件付き推奨;エビデンスレベルB)

非抗生物質予防

  1. 臨床医は、rUTIの女性に対してクランベリープロフィラキシスを提案することができます。(条件付き推奨;エビデンスレベルC)

フォローアップ評価

  1. 臨床医は、無症候性患者において治療後の治癒確認尿検査や尿培養を行うべきではありません。(専門家の意見)
  2. 臨床医は、抗菌療法後もUTI症状が持続する場合、さらなる治療選択のため尿培養を繰り返すべきです。(専門家の意見)

エストロゲン

  1. 更年期および閉経後のrUTIの女性において、臨床医はエストロゲン療法に禁忌がない場合、将来のUTIリスクを減少させるために腟エストロゲン療法を推奨するべきです。(中等度の推奨;エビデンスレベルB)

米国と日本の人種差や医療制度が違うこともあり、そのまま鵜呑みにした治療が良いとは思いませんが、ガイドラインがあることで一定レベルの感染治療が提供できると思われます。

 クランベリージュースが追加されていることや、腟内のエストロゲン療法が推奨されたことは大きな進歩だと思いました。

 まだまだ、AUAガイドライン内にも足らないと思うのは、陰部環境改善についての予防治療についての記載が薄く、抗生剤の種類選択、投与期間など膀胱炎の治療に関することについての記載が多く、

 膀胱炎の治療から膀胱炎にならない予防治療へのパラダイムシフトが近々来ることを願いたいものです。

 ガイドラインは参考にするもので、ガイドラインがすべてではないことも加筆したいと思います。


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