生理のたびに悪化する膀胱炎と下腹部痛
40代後半の女性。3年前から「生理になると膀胱炎を繰り返す」症状に悩まされていました。
抗菌薬を使えば一時的に症状は落ち着くものの、月経のたびに悪化。次第に下腹部痛も強まり、生活に支障が出るほどになり、受診されました。
実は年に3回以上、あるいは半年で2回以上膀胱炎を繰り返す方には注意が必要です。単純な感染だけでなく、その裏に別の病気が隠れていることがあるのです。
精密検査でわかったこと
川原田先生が膀胱鏡とエコーを行ったところ、膀胱の粘膜下に腫瘤(しゅりゅう)を認めました。
さらにMRI検査を追加すると、チョコレート嚢胞(卵巣の子宮内膜症)や異所性内膜症の所見も確認。
最終的に婦人科と連携し、膀胱子宮内膜症(膀胱に発生した子宮内膜症)と診断され、治療を開始となりました。
膀胱子宮内膜症とは?
子宮内膜症は、本来は子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、卵巣や腹膜、膀胱などにできてしまう病気です。
膀胱に内膜症ができると、月経にあわせて膀胱粘膜が出血・炎症を起こし、以下のような症状が出てきます。
- 生理のたびに膀胱炎のような症状(頻尿・排尿痛・血尿)が出る
- 下腹部の鈍痛や強い痛みが繰り返す
- 抗生物質では改善しにくい膀胱炎を繰り返す
適切な診断が何より大切
「膀胱炎=抗生物質で治るもの」と思われがちですが、実際には膀胱炎に似た症状を起こす疾患は数多く存在します。
膀胱子宮内膜症はその代表例のひとつであり、放置すると腫瘤が進行して手術が必要になることもあります。
繰り返す膀胱炎に悩んでいる方は、
- 膀胱鏡
- 超音波検査
- MRI
などでしっかり診断をつけることが、治療の第一歩です。
まとめ
膀胱炎の症状を繰り返すとき、「ただの膀胱炎だから仕方ない」と思ってしまう方も少なくありません。
しかし、その背景には膀胱子宮内膜症のように専門的な治療が必要な病気が隠れていることもあります。

