理学療法――実は私にとって、最初は全く関係のない世界でした。
泌尿器科医になりたての頃、臨床医としては未熟で、与えられる課題をこなす毎日。そんな中で「自分の中のもう一つの課題」がありました。
それは「なんでもいいからスポーツ大会で優勝すること」。不真面目な医者ですいません。(泣)
高校時代のテニス、医者になってからのゴルフ。どちらも中途半端。
静岡時代には、仕事終わりにテニス→打ちっぱなし→夜11時からジムというハードスケジュール。
「努力しているのに結果が出ない」。肩を痛め、腰を痛め、頭と体がバラバラ。そんな時期が続いていました。
理学療法との出会い
そんな中で出会ったのが、後に妻となる理学療法士でした。
彼女に教わった「運動連鎖」という考え方は、私の中の固定観念を一変させました。
―力を出すためには、力むのではなく“つながり”を作る。
―動きを分解し、自分の身体の癖を知る。
これまで我流で動いていた身体が、理論と感覚で結びついた瞬間でした。
医師として初めてPNF(固有受容性神経筋促通法)の講習会にも参加し、「身体を動かすとはこういうことか」と、頭と体で理解できたのです。

(医師の参加は初めてだったそうです)
その後、市民大会・医師テニス大会で優勝。
単に技術の話ではなく、「無駄な力を抜き、体の連動を感じる」ことの重要性を体得しました。

理学療法は、スポーツだけではなく医療にも通じる
この経験は、スポーツだけでなく医療にも繋がりました。
手術手技の精度、術前術後の体の回復、予防医療への視点――すべて「身体のつながりを理解すること」が基盤にあると気づいたのです。
尿失禁や骨盤臓器脱も同じです。
骨盤底筋を“うまく使えるかどうか”が、症状の軽減にも、再発予防にも直結します。
どんなに最新の治療をしても、基礎となる身体の使い方が整っていなければ、効果は長続きしません。
日本橋骨盤底診療所を立ち上げた理由
だからこそ、私は「理学療法を中核に据えた骨盤底診療」を実現したかったのです。
手術、レーザー治療、磁気刺激療法、PRP治療――どれも素晴らしい治療法ですが、基礎部分(身体の使い方・筋の連動)が欠けると、その効果は半減します。
日本橋骨盤底診療所は、「治療を受ける場所」であると同時に、
「身体を学ぶ場所」「再発を防ぐための土台を作る場所」でありたいと思っています。
理学療法士や看護師を含め骨盤底医療を実践する場もあるようでなかったのです。
医療法人社団陸合社 日本橋骨盤底診療所に込めた、「陸合」
「陸合」は東西南北天地が合わさるように、心技体に知と和が広がり結びつくような願いを込めています。ですから、よりすぐりのたくさんのスタッフが在籍しています。
ドジャースのオーナーになったような気持ち良さがあります(笑)
結びに
理学療法との出会いが、私の医師としての方向性を決めました。
自分自身が「体を理解すること」で変わったように、患者さんの“身体の可能性”を引き出す医療をこれからも続けていきたいと思います。
骨盤底の理学療法が、もっと広く、もっと正しく、そして楽しく広がることを願って。

