9月から「膀胱炎」と診断され、抗生剤治療を3回受けても症状が治まらないという60代の方が来院されました。
尿検査で膀胱炎、治療後には「尿はきれい」と言われ、症状は1度も治ることが無く、尿検査異常で抗生剤…という繰り返し。
婦人科でも「問題なし」とされていましたが、症状は改善しませんでした。
初期症状は右の下腹部にぐるぐる動く様な感覚から始まったそうです。
診察の結果
腟は乾燥し、pHは8.0と高く、腟内視鏡で見ると粘膜の高度萎縮と発赤がみられ、乳酸菌の活性低下が確認されました。
これは、閉経関連尿路性器症候群(GSM)の典型的な所見です。
腟炎によって「膀胱炎のような症状」を起こすことがあるため、単なる膀胱炎ではない可能性があります。
さらに、内閉鎖筋(obturator internus muscle)を触診すると、鼠径部への放散痛と膀胱刺激症状が再現されました。
これは筋筋膜性骨盤疼痛症候群(MPPS)の特徴的な所見です。
診断
- GSM
- MPPS(筋筋膜性骨盤疼痛症候群)
どちらも「膀胱炎のような症状」を引き起こす原因になります。
どちらを優先して治療するかというと、基本はMPPSですが、腟炎が周囲組織の炎症を誘発し、MPPSを悪化させるケースもあります。
したがって、両方を同時に治療するのが最も効果的です。
治療方針
- 骨盤底リハビリテーション
内閉鎖筋や骨盤底筋群の緊張を緩め、疼痛と膀胱刺激症状を改善します。 - 陰部の保湿と局所ホルモン療法
腟粘膜の萎縮を改善し、炎症を抑える基本治療です。 - レーザー治療(併用推奨)
粘膜の血流改善と再生促進が期待でき、GSMにもMPPSにも有効です。
まとめ
「膀胱炎がなかなか治らない」と悩んでいる方の中には、実はGSMやMPPSが根本原因ということも珍しくありません。
長期間続く排尿違和感や下腹部の不快感、鼠径部の痛みがある方は、最短ルートで原因を見極めて治療を始めることが大切です。
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日本橋骨盤底診療所
所在地: 東京都中央区日本橋2-1-10 柳屋ビルディングB2
電話: 03-6262-5389
予約URL: https://ssc5.doctorqube.com/npfclinic/
診療内容:
骨盤臓器脱、尿失禁、間質性膀胱炎、GSM(閉経関連性尿路性器症候群)、MPPS(筋筋膜性骨盤疼痛症候群)、膀胱がん、など
理念: 「陰に陽かりを、骨盤底から美しく」
