50代の女性。
血尿が最近出たこと、数か月前から「尿の臭いが気になる」とのことで受診されました。
ところが、尿検査では赤血球も白血球もなく、感染所見なし。
それでも膀胱鏡では、膀胱粘膜全体がびっしりと赤く、慢性膀胱炎の所見を呈していました。
一見、矛盾するように思えますが、実はこうしたケース——「尿検査では異常なしの膀胱炎」——に時々出会います。
🔸原因は「GSM(Genitourinary Syndrome of Menopause)」関連膀胱炎
詳しく診察すると、腟pHは 8.0 と強いアルカリ性、
腟年齢は80代相当で乳酸菌がほとんど存在せず、腟内の粘膜は萎縮していました。
よく聞くと、性交痛が数年前から続いていたとのこと。
これは典型的なGSM関連の膀胱炎です。
閉経後のホルモン低下によって腟・外尿道口・粘膜が薄くなり、
防御機構が低下することで、慢性的な炎症が生じます。
その結果、尿の臭い・血尿・違和感などの症状が出現しても、
尿検査では菌も炎症細胞も見つからないことがあるのです。
🔸治療方針
治療は、
- 局所エストロゲン療法
- 腟レーザー治療(インテイマレーザー)
の併用を行うことになりました。
腟や外尿道口、粘膜を再生し、
上皮の再生を促すことで、陰部の環境問題を解消します。潤いが戻り、乳酸菌の活性が戻り、腟pHが下がり(強酸性)となり、病原菌が生きにくい環境ができあがります。
膀胱炎の再発を防ぎ、性交痛の改善も目指します。
🔸当院の研究:レーザー治療による膀胱炎改善効果
日本橋骨盤底診療所(NPFC)では、
このようなGSM関連の膀胱炎や再発性膀胱炎に対して、
レーザー治療を用いた臨床研究をまとめています。

この研究では、GSM関連膀胱炎の方に対して
Er:YAGレーザーを複数回照射し、膀胱炎の回数、腟pHなどが改善された事を報告しています。
抗菌薬を使わない新しい治療戦略として注目されています。
🔸まとめ
- 尿の臭い・血尿があるのに尿検査で異常が出ない場合、
GSM関連の慢性膀胱炎の可能性があります。 - 萎縮した粘膜の防御機能を回復させることが、再発防止の鍵。
- 局所ホルモン+レーザー治療は、 膀胱炎も性交痛も改善を目指せる治療です。
🔹日本橋骨盤底診療所(NPFC)
女性の膀胱炎・性交痛・GSM治療を専門に行っています。
抗菌薬に頼らない新しい膀胱炎治療をお考えの方はご相談ください。

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