本日は、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)が原因と考えられる膀胱炎の症例をご紹介します。
📖 症例紹介
50代女性。
数年前から膀胱炎を繰り返し、ある年は「ほぼ毎月」、少ない年でも年4回ほど。
今年はすでに3回目の膀胱炎に悩まされ、さらに性交痛も訴えておられました。
1年に3回以上、半年で2回以上膀胱炎を繰り返す場合は、「膀胱炎になる原因を診断治療」する事が肝要です。
背景には、乳がん部分切除後にタモキシフェンを2年間内服されていたことがあります。ホルモン環境に影響が及ぶため、更年期症状や腟の健康状態に大きく関わる治療です。
🔎 診察所見
腟内pH:8.0(強いアルカリ性) 軽く触れるだけで腟から出血 腟健康指数:低値 カメラで確認した腟粘膜は萎縮が強く、痛々しい所見
膀胱鏡では膀胱がんや間質性膀胱炎は認めず、腟内カメラでは腟粘膜(尿道周囲を含む)の出血と高度な萎縮が原因と考えられました。
⚙️ 発症メカニズム
GSMに伴い、腟の粘膜が萎縮すると潤いが失われ、乳酸菌が減少します。
その結果、乳酸が少なくなり腟内pHがアルカリ化。
アルカリ化した腟環境 → 病原菌が繁殖しやすい状態 そこにストレス・疲労・病気による免疫力低下が加わる → 膀胱炎を繰り返す
という悪循環が起こります。
💡 治療の基本方針
GSM関連の膀胱炎は、抗生物質を繰り返すだけでは解決できません。
根本原因である GSM症状の改善 から始める必要があります。
腟粘膜の環境改善 pHの是正(酸性環境を取り戻す) 潤いを保ち、乳酸菌の回復を促す
これらが膀胱炎の再発防止につながります。
✨ まとめ
繰り返す膀胱炎の裏には、GSMという背景因子が隠れていることがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と思っていても、実は原因を正しく治療することで症状は改善できるのです。
泌尿器科・婦人科の診察で腟粘膜の状態やpHを確認し、膀胱がん、間質性膀胱炎がないなど適切な診断を受ける事で、問題点に対する治療を受けることが大切です。
https://ameblo.jp/urourohirokazu/entry-12901833209.html
https://npfc.jp/interstitial_cystitis-reccurent_cyctitis/

キーワード:
#膀胱炎 #慢性膀胱炎 #GSM #更年期症状 #性交痛 #腟萎縮 #腟pH #乳がん治療と膀胱炎