最近、診療の中で明らかに増えているご相談があります。
- 「性交のとき入口だけがヒリヒリ痛い」
- 「指も入らない」
- 「婦人科では“異常なし”と言われた」
- 「原因はカンジダを繰り返すと言われたけど、治らない」
その原因の一つが 腟前庭炎(現在は“誘発性前庭痛:Provoked Vestibulodynia”と呼ばれることが多い病態) です。
■ 腟前庭炎とは?
腟の“入り口(前庭部)”に限局して痛みが出る状態です。
特徴
✔ 触れると鋭い痛み(綿棒で軽く触れるだけで痛い)
✔ 見た目はほぼ正常なことが多い
✔ 挿入時に焼けるような痛み
✔ 痛みが怖くて体がこわばる
「気のせい」でもありません。
粘膜が薄くなったり、炎症で神経が過敏になっている状態と考えられています。
■ なぜ最近増えているのか?
① デリケートゾーンの過洗浄
ソープの普及により洗浄が大事だと勘違い
→ 皮膚バリアが壊れる
→ 神経が過敏になる
② ホルモン変化(GSM)
- ピル使用 → 粘膜が薄くなる
- 産後 → 会陰切開の痛み
- 更年期 → 粘膜がとても薄くなる
前庭粘膜が薄くなり、痛みが出やすくなります。
③ 骨盤底筋の過緊張
ストレスや姿勢不良、慢性的な我慢習慣で
骨盤底筋が常に緊張
→ 血流低下 のため 押されると痛い
ここはまさに、骨盤底筋の筋筋膜性疼痛(MPPS)と深く関連します。
■ こんな方は要注意
- 指が入らない
- 性交時に入口だけが痛い
- 慢性膀胱炎を繰り返している
- 下腹部・会陰部が重だるい
- 性交が怖くなっている
■ 治療は?
大切なのは“過敏さを整える”こと。
① 刺激をやめる
・石鹸をやめる → お湯で流すだけで充分、自浄作用があるからです。
・摩擦を減らす → ゆるめの下着 など
② 外用療法
・リドカイン(局所麻酔)
・エストロゲン外用(GSM合併例)
・ボトックス注射
・レーザー治療
・粘膜切除
③ 神経過敏への内服
必要に応じて調整
④ 骨盤底筋の治療(非常に重要)
・筋膜リリース
・ストレッチ
・リラクゼーション
・体外衝撃波
・磁器刺激など
ここを整えると、改善する方が非常に多いです。
性生活の問題だけでなく
✔ パートナー関係
✔ 自己肯定感
✔ 女性としての安心感
にまで影響します。
■ 最後に
最近本当に増えています。
正しく評価すれば改善できます。
「異常なし」と言われて困っている方こそ
骨盤底筋まで含めた評価を受けましょう!

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