前回の記事では
AUA(米国泌尿器科学会)によるGSM診療ガイドラインについて解説しました。
婦人科だけでなく、「尿路の症状」が加えられたことは泌尿器科医が知っておくべき疾患であると言えます。
GSM(閉経関連尿路性器症候群)は
・頻尿
・尿意切迫感
・性交痛
・陰部の違和感
・反復性膀胱炎
など、さまざまな症状を引き起こします。
しかし問題は
GSMは検査では見つかりにくい
という点です。
GSMは検査では異常が出ない
GSMの患者さんはよくこう言われます。
「尿検査は正常です」
「膀胱に異常はありません」
しかし症状は確かにある。
実際、GSMの診断で重要なのは
問診と診察!です。
問診で重要なポイント
・閉経後か
・性交痛の有無
・腟乾燥
・反復性膀胱炎
・排尿時痛
・陰部の違和感
これらの症状がある場合、
GSMの可能性は高くなります。
外陰部の診察が重要
GSMでは外陰部・腟の粘膜の萎縮が見られます。
代表的な所見
- 腟粘膜の菲薄化
- 乾燥
- 発赤
- 弾力低下
- pH上昇(アルカリ化)
- 小陰唇の萎縮
こうした変化は
エストロゲン低下による組織変化です。
「腟健康指数」でするのも有用です。
少なくとも腟pHは誰でもわかりやすく、簡便な検査ですので、自身、あるいはクリニックで検査すると良いと思います。
GSMと間違われやすい疾患
GSMは次の疾患と混同されやすいです。
①反復性膀胱炎
GSMによる腟粘膜萎縮 → 乳酸菌減少→アルカリ化→細菌侵入
というメカニズムがあり、
GSMの治療で
膀胱炎が改善することも多いと報告されています。
当院の治療エビデンス
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40899097/
②過活動膀胱
頻尿や尿意切迫感の原因として
OABと診断されるケースもあります。
GSMによる尿道粘膜の変化が原因の場合もあります。
③骨盤底筋トラブル(MPPS)
最近注目されているのが
骨盤底筋筋筋膜性疼痛症候群(MPPS)です。
https://npfc.jp/2024/02/23/myofascial-pelvic-pain-syndrome-chronic-prostatitis/
GSMの方は
・骨盤底筋の過緊張
・筋膜や筋肉にトリガーポイント
が併存することも多く
症状を複雑にしています。
「診断されない疾患」GSM
GSMは
・患者が相談しない
・医師が診察しない
という理由で
見逃されやすい疾患です。
今回のAUAガイドラインは
GSMを
積極的に診断すべき疾患、進行性のためフォローアップが必要な疾患
として位置付けました。
これは臨床にとって大きな変化です。
👉次回は
GSMの治療について解説します。
現在、GSMには
・保湿
・ホルモン治療
・DHEA
・レーザー治療
・骨盤底治療
など複数の選択肢があります。
👉日本橋骨盤底診療所
👉ご予約
https://ssc5.doctorqube.com/npfclinic/




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