第113回日本泌尿器科学会総会で、特に心に強く残った講演がありました。
佐々木ひと美先生のお話です。
テーマは「Well-being」、そして「幸せとは何か」。
バーンアウトのご経験や、ワークライフバランスについてのリアルなお話を通して、「幸せの本質」に触れる内容でした。
私も昨年父を亡くしたばかりで、とても心に沁みました。
印象的だったのは、“幸せの条件”として挙げられていた次の言葉です。
- 健康であること
- 自分にとって程よいと思えるお金があること
- 美しいものを感じ取る力があること
- 人間関係が豊かであること
- 朝起きた時に「やるべき仕事」があること
どれも特別なことではない、当たり前と思っています。
けれど、どれも失ったときに初めて気づくものばかりです。
医療に携わっていると、「健康であること」の価値は日々実感します。
しかし、それだけでは人は幸せにはなれない。
人とのつながりや、日々の役割、そして「美しい」と感じる心。
こうした要素が揃って初めて、人生は豊かになるのだと思います。
また、講演の中ではWell-beingの指標として、ポジティブ心理学のPERMAモデルも紹介されていました。
- Positive Emotion(ポジティブ感情)
- Engagement(没頭)
- Relationship(人間関係)
- Meaning(意味・目的)
- Achievement(達成)
医療の現場でも、これらはすべて重要だと思います。
私たち医療者が満たされていなければ、患者さんに本当の意味での「良い医療」は提供できない。
「私たちが幸せになると、患者さんも幸せになる」
「私たちの前向きな姿勢は仕事の効率を高め、患者さんの回復への力になる」
当たり前のことをする難しさを感じながらも前向きに取り組みたいと思いました。
さらに、やなせたかしさんの言葉も紹介されていました。
「人生は喜ばせごっこ」
アンパンマンの生みの親のこの言葉は、医療そのものを表しているように感じました。
誰かを助けること、誰かを笑顔にすること。
その積み重ねが、自分自身の幸せにもつながっていく。
今回の学会は、技術や知識だけでなく、「どう生きるか」を改めて考えさせられる時間となりました。
日々忙しい中でも、ふと立ち止まり、自分のWell-beingを見つめ直す。
それが、より良い医療につながると感じています。




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