ダビンチ手術後の尿失禁のご相談
前立腺がんに対するダビンチ手術(ロボット支援前立腺全摘除術)後の尿失禁についてのご相談でした。
「寝ている間は漏れない」
「座っている時は大丈夫」
「立って歩くと漏れてしまう」
このような症状を訴えられる方は非常に多く、日常生活や仕事、外出への不安につながり、QOL(生活の質)に大きく影響します。
今回の検査では、主に尿道括約筋部分の状態を詳しく評価しました。
・尿道粘膜のヒダ(coaptation)
・括約筋の収縮力
・収縮をどれだけ持続できるか
・力の入れ方の癖
などを確認しました。
検査では、粘膜ヒダ自体は残っているものの、その部分が短く、尿道を十分に長く閉鎖できていない状態でした。
また、括約筋はしっかり収縮できる一方で、その収縮が長続きせず、すぐに弛緩してしまう状態でした。
尿失禁というと、「筋力が弱い」と考えられがちですが、実際には“収縮の仕方”が問題になっているケースも少なくありません。
検査中には、最大収縮だけではなく、“弱い力を持続して使う感覚”を実際に体感していただきました。
イメージとしては、
「100m走のような瞬発力」なのか
「マラソンのような持久力」なのか
の違いです。
歩行中や立位で必要になるのは、強い力を一瞬入れることではなく、“弱い力を持続的に使い続ける能力”です。
この収縮方法を改善するだけで、症状が大きく改善する方もいらっしゃいます。
一方で、リハビリだけでは改善が難しい場合には、
・骨盤底リハビリテーション
・高テスラ磁気刺激療法
・PRP治療(再生医療)
などを組み合わせ、尿道括約筋機能の改善を目指します。
「術後だから仕方ない」と我慢されている方も多いですが、状態をしっかり評価すると改善のヒントが見つかることもあります。
術後尿失禁でお悩みの方は、一度“収縮の質”まで評価してみることが大切かもしれません。
日本橋骨盤底診療所




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