ちょこちょこ、女性骨盤底を診療される先生達から
「再発性膀胱炎、HRTで良くないですか?」と言われます。
前回の投稿は

「なぜこの研究を始めたのか」
膀胱炎の再発は、更年期以降の女性にとってとてもつらい問題です。
局所ホルモン補充療法(HRT)は、腟や尿道周囲の粘膜環境を改善し、膀胱炎の再発を防ぐ効果が知られています。レーザー治療を知る前までは私も局所HRTで治療していました。
しかし、局所HRTをしていても膀胱炎を繰り返す方や、乳がん治療歴がありホルモン治療ができない方も多く存在します。
実際、局所HRTでも膀胱炎が治らなかった方や乳がん術後・ホルモン療法後の膀胱炎が治らない方にレーザー治療をすると劇的に良くなったことがありました。
そのような背景から、「局所HRTだけでは不十分な方に、腟・尿道周囲レーザー治療を組み合わせることでより良い結果が得られるのでは?」という発想が生まれました。
■ 研究の概要
今回、私たちは51例の治療を受けられた女性を対象に解析を行いました。
- HRTをすでに受けていた方:44例中 12例
- 乳がん既往で局所HRTも使えない方:7例
19例の方はこれ以上治療が無い状況とも言えます。レーザー治療を行うことで、次のような結果が得られました。
✅ 腟pHの改善(酸性化)
✅ 腟健康指数の上昇
✅ カメラで確認できる腟粘膜の潤いや厚みの改善
✅ 膀胱炎の発症回数の有意な減少(特に乳がん既往の7例でも効果あり)
■ 局所HRTとレーザーの相乗効果
局所HRTによって腟粘膜環境が少しでも改善していると、レーザーの効果が高まりやすいと考えられます。
これは、レーザーが腟粘膜の水分に反応して組織を活性化する仕組みを持っているためです。
つまり、「局所HRT+レーザー」には相乗効果が期待できるのです。
■ 今後の課題と展望
今回の結果から、腟・尿道周囲レーザー治療は 局所HRTができない女性にも有効であることが示されました。
しかし、今後さらに明らかにすべき課題もあります。
- 効果はどのくらい持続するのか?
- 追加レーザーはどのタイミングで必要か?
- HRTは継続すべきか?
- pHが下がり切らない方に他の治療をどう組み合わせるか?
こうした疑問を解決していくことで、さらに多くの女性に恩恵を届けられると考えています。
■ まとめ
膀胱炎の再発に悩む女性にとって、HRTと腟・尿道周囲レーザー治療の組み合わせは新しい希望となり得ます。
乳がん治療後でホルモンが使えない方でも、レーザー単独で効果が得られる可能性があることも示されました。
世界に向けてこうした治療が広がることで、より洗練され、改良された形で戻ってくるでしょう。
今回の研究は、そのための大切な「第一歩」だと感じています。




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