〜「異常なし」と言われても原因が隠れていることがあります〜
時々ご相談を受ける内容です。
しかも、女性側だけでなく、男性側から相談を受けることもあります。
「性交後に出血する」
この症状は、お互いにとても不安になります。
女性は婦人科を受診し、
「子宮も卵巣も問題ありません」
「癌ではありません」
と言われる。
すると今度は、
「男性側が出血しているのでは?」
「自分に原因があるのでは?」
と、男性が不安になって受診されるケースもしばしばあります。
女性側の原因
閉経後の女性では、GSM(閉経関連尿路性器症候群)が背景にあることが少なくありません。
閉経後は女性ホルモンの低下により、
- 腟粘膜が薄くなる
- 潤いが低下する
- 摩擦に弱くなる
- 炎症を起こしやすくなる
といった変化が起こります。
その結果、
- 腟粘膜が裂ける
- 表面が剥がれる
- 少しの刺激で出血する
という状態になります。
実際、細いカメラで腟粘膜を観察すると、
「少し触れただけで出血しやすい粘膜」は比較的容易に確認できます。
なぜ婦人科で「異常なし」になるのか?
もちろん婦人科では、
- 子宮癌
- 子宮頸癌
- 卵巣癌
など重要な病気をしっかり除外してくださっています。
一方で、腟粘膜そのものは、実は非常に繊細で観察が難しい部位でもあります。
クスコ(腟鏡)が入ると横方向の観察が難しくなることもあり、
「癌など重大な病気がない=問題なし」と判断されることもあります。
しかしGSMを理解していると、
「これは萎縮した粘膜による出血だな」
と診断にたどり着きやすい印象があります。
男性側が原因のこともあります
もちろん、本当に男性側が出血している場合もあります。
その代表が、
血精液症(けっせいえきしょう)
です。
これは精液に血液が混じる状態で、
多くは精嚢(精液を作る場所)からの出血です。
実際には、
- 一時的
- 自然に改善する
- 鼻血のようなもの
であるケースが多く、過度に心配しなくてよいことも少なくありません。
ただし、
- 長引く
- 繰り返す
- 痛みを伴う
- 血尿を伴う
場合には泌尿器科での評価が重要です。
治療は原因によって異なります
女性側なら、「GSM治療」
- 保湿
- ホルモン治療
- レーザー治療
- 骨盤底治療
など。
男性側なら、
- 精嚢出血の評価
- 炎症の治療
- 前立腺や精路の確認(がんや炎症など)
などを行います。
性交後出血は、
「どちらが悪い」という話ではなく、
年齢や粘膜変化による自然な変化が背景にあることも少なくありません。
だからこそ、
「恥ずかしいから我慢する」のではなく、
原因を丁寧に確認していくことが大切だと思います。



コメントを残す