日本橋骨盤底診療所への相談そして手術
木曜日、土曜日は亀田総合病院での手術でした。
まず木曜日は、尿管損傷に対する腹腔鏡下尿管再建術。
患者さんは前医で「修復は難しい」と説明を受けておられました。
癒着が思いのほか強く、腹腔鏡で慎重に剥離を進め、膀胱を十分に引き上げ、尿管との距離を縮めながら再建。緊張のない状態で吻合することができ、無事に修復を終えることができました。
「もう治せない」と言われた方が、自分の尿管で再び生活できる可能性を取り戻す。
このような手術に携われることは、外科医として大きな責任であり、大きな喜びでもあります。
もう1件は、子宮全摘を併用した腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)。
本来は2泊3日の予定でしたが、術後に麻酔薬による強い吐き気と嘔吐(PONV)が出現し、退院を1日延期しました。
翌日にはすっかり回復され、笑顔で退院。
安全に退院していただくことが何よりも大切だと、改めて感じました。
子宮全摘を併用したLSCでは、腟動脈を温存することが、その後の腟の血流や治癒を考える上で非常に重要なポイントになります。細かな工夫の積み重ねが、長期成績につながると考えています。
そして本日は、子宮温存のLSC。
骨盤臓器脱だからといって、必ずしも子宮を摘出する必要があるわけではありません。
病態や患者さんの希望に応じて、子宮を温存しながら十分な治療効果を得られる症例も少なくありません。
子宮温存という選択肢が、もっと多くの施設で広がってほしいと思っています。
手術前には骨盤底筋の収縮がほぼできていなかった方でしたが、3ヶ月のリハビリテーションでオックスフォードスケール3まで回復。
ここまで手術の準備をしておけば手術後の再発が防げるようになると思います。
さらに、海外から来日された患者さんに対して、神経温存を意識した腹腔鏡下前立腺全摘除術を行いました。
手術直後から神経機能の反応も確認でき、順調な経過が期待できそうです。
そのほかにも、ロボット支援前立腺全摘除術や腎盂形成術など、亀田総合病院の泌尿器科は土曜日までフル稼働。
一人ひとり病気も違えば、人生も違います。
だからこそ、「この患者さんにとって最善の治療は何か」を考えながら、毎回の手術に向き合っています。わからなくなった時は、「自分が受ける手術、家族が受ける手術」と思えば、自然に答えは出てきます。
手術を終えて病院を出る頃には、朝から降り続いていた雨も止み、夕暮れの海が静かに広がっていました。
忙しい2日でしたが、この景色を見るとまた来週も頑張ろうという気持ちになります。
医療は決して一人ではできません。
患者さんを支えてくださる多職種のスタッフ、そして信頼して手術を任せてくださる患者さんに感謝しながら、これからも一例一例を大切に診療していきたいと思います。
日本橋骨盤底診療所
監修 安倍 弘和

亀田総合病院 A棟から



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