本日は、尿管損傷と膀胱腟瘻を併発された患者さんの術後フォローでした。
尿管損傷と膀胱腟瘻、その両方を同時に治療する再建手術を受け入れてくれる施設は、決して多くありません。
その理由は、手術の難易度が非常に高いからです。
過去の手術による強い癒着を慎重に剥がしながら、
- 膀胱と腟をつなぐ瘻孔を切除する
- 膀胱と腟をそれぞれ縫合して閉鎖する
- 再発を防ぐため、その間に脂肪組織を充填する
- 癒着した尿管を剥離する
- 尿管を膀胱へつなぎ直す
という、いくつもの再建操作を一度の手術で行わなければなりません。
さらに、手術を終えれば安心というわけではなく、尿路感染、尿管狭窄、水腎症、瘻孔の再発、排尿障害など、術後に起こり得る問題にも注意が必要です。
今回の患者さんは、手術後に神経因性膀胱による排尿障害がみられ、一時的に自己導尿が必要となりました。
ただ、以前に受けた子宮がんの手術後にも神経因性膀胱となり、自己導尿を経験されていました。そのため、今回も排尿が難しくなる可能性について、あらかじめ患者さんと共有していました。
ある程度予想された経過だったこともあり、患者さんにも落ち着いて受け止めていただくことができました。
子宮がんなどの骨盤内手術後に神経因性膀胱となったことがある方は、再手術を受けた際に、再び排尿が難しくなることがあります。手術そのものを成功させるだけでなく、術後の排尿機能まで見据えて治療計画を立てることが大切です。
そして術後2か月。
自力での排尿は回復し、水腎症もありません。膀胱腟瘻からの尿漏れもなくなり、経過は良好です。
尿が腟から漏れない。
自分の力で排尿できる。
腎臓にも負担がかかっていない。
一つひとつ確認しながら、ようやくここまでたどり着くことができました。
次回の診察は3か月後です。
その診察で問題がなく、「泌尿器科を卒業できます」とお伝えできることを願っています。
複雑な尿路損傷であっても、再建できる可能性があります。治療を受け入れてくれる施設が見つからない場合でも、どうか諦めず、尿路再建を専門とする医師へ相談していただきたいと思います。
亀田総合病院
https://medical.kameda.com/general/medi_services/index_29.html




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