これまでの記事では
・GSM(閉経関連尿路性器症候群)とは何か
・どのように診断するのか
について解説しました。
最終回となる今回は
GSMの治療についてです。
2025年、
AUA(米国泌尿器科学会)を中心とし3学会が合同で、GSM診療ガイドラインを発表しました。
このガイドラインでは
GSMの治療は
症状に応じて段階的に行うことが推奨されています。
GSM治療①非ホルモン治療(保湿・潤滑)
まず軽症の場合に行われるのが
腟保湿剤や潤滑剤。
これらは
・腟乾燥
・性交時の不快感
などの改善に役立つことがあります。
GSMは組織の萎縮(エストロゲン低下)
が原因で起きるため症状によっては
十分な効果が得られないこともあります。
GSM治療②局所エストロゲン療法
(ガイドラインの中心治療)
AUAガイドラインで
最も推奨されている治療が局所エストロゲン療法
です。腟や尿道の粘膜はエストロゲンに強く依存する組織です。
閉経後にエストロゲンが低下すると
・粘膜の菲薄化
・血流低下
・腟内細菌叢の変化
が起こります。
局所エストロゲン治療により
・腟乾燥
・性交痛
・尿路刺激症状
の改善が期待できます。
さらに近年では
反復性膀胱炎の予防効果も報告されています。
日本橋骨盤底診療所より
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40899097/
GSM治療③その他の薬物療法
ガイドラインでは
次の治療も選択肢として示されています。
- 腟DHEA(Prasterone):腟内でエストロゲン・アンドロゲンに変換され、腟組織の改善に作用します。
- Ospemifene: SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)で
主に性交痛の改善を目的に使用されます。
これらは日本で承認されていません。
GSM治療④ エネルギーデバイス治療(レーザーなど)
近年
・CO₂レーザー
・Er:YAGレーザー
などの治療が広がっています。
これらは
・コラーゲン再生
・血流改善
・組織再生
などを目的とした治療です。
ただし
AUAガイドラインでは
これらの治療について
長期的な安全性と有効性のエビデンスが
まだ十分ではない
とされており
標準治療としては位置づけられていません。
そのため
・他の治療が十分に効果を示さない場合
・患者が治療を希望する場合
などに
慎重に検討される治療
とされています。
日本橋骨盤底診療所の取り組み
GSMと骨盤底の問題
GSMの方では
・骨盤底筋の緊張
・骨盤底筋機能障害
を伴うこともあります。
この場合は
- 理学療法
- 体外衝撃波
- 高強度磁器刺激療法
- ハイドロリリース
などを併用することで症状の改善が期待できます。
GSM治療で大切なこと
GSMは「年齢だから仕方ない」
と思われがちですが
実際には
適切な治療で改善できる疾患です。
今回のAUAガイドラインにより
GSMは
明確に診断し、治療すべき医学的疾患
として位置づけられました。
まとめ
GSM治療の基本は
1.保湿剤・潤滑剤
2.局所エストロゲン療法(中心治療)
3.DHEA / Ospemifene
4.エネルギーデバイス
という段階的治療です。
閉経後の女性にみられる
・頻尿
・膀胱炎の繰り返し
・性交痛
・陰部の違和感
これらの症状の背景にGSMが隠れていること
は少なくありません。
今後、GSMの理解が広がることで
多くの女性の生活の質が
改善していくことが期待されています。
日本橋骨盤底診療所
予約
https://ssc5.doctorqube.com/npfclinic/




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