ハンナ型間質性膀胱炎に対するTULAという選択
本日は、ハンナ型間質性膀胱炎(Hunner lesion type IC/BPS)の患者さんお二人に対し、ダイオードレーザーによる焼灼術(TULA)を施行しました。
治療を重ねるたびに感じるのは、
「粘膜を薄く、狙った層だけ焼灼できる」
という点は、やはりレーザーならではの特徴だということです。
癌治療の場合は、多少周囲組織への影響があったとしても、「取り切る」「根治する」が最優先になります。
そのため、ある程度の侵襲や組織障害は許容される場面があります。
しかし、ハンナ型間質性膀胱炎のような良性疾患では考え方が異なります。
症状を改善することはもちろんですが、
- 膀胱機能を損なわないこと
- 新たな痛みや瘢痕を作らないこと
- 膀胱容量を保つこと
- 治療後のQOLを落とさないこと
が非常に重要になります。
その点、TULAは
「必要最小限の組織だけを治療する」
という発想に近い治療なのかもしれません。
特に興味深いのは、レーザーであれば膀胱粘膜のさらに表層、GAG層(glycosaminoglycan layer)を中心にコントロールできる可能性があるのではと感じます。
ハンナ病変は粘膜病変であり、深部筋層まで強く障害する必要が本当にあるのか。
むしろ、過度な凝固による筋層障害や瘢痕化が、膀胱の硬化や容量低下につながる可能性も考えなければなりません。
電気凝固とレーザー凝固。
これまでは同じ「焼灼術」として扱われることも多かったですが、今後は
- 凝固深達度
- 周囲熱損傷
- 組織修復
- 痛み
- 再発率
- 膀胱容量への影響
などに違いが見えてくるかもしれません。
良性疾患だからこそ、“どこまで治療するか”ではなく、
“どこを温存するか”
が大切になる。
TULAは、その考え方を改めて教えてくれる治療だと感じています。




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