産後数か月してから
「何かが下がってくる感じがする」
「立っていると膀胱が出てくる感じがある」
という相談は少なくありません。
今回の方も、出産された産科を受診した際には
「まだ軽いから様子をみましょう」
「お尻を締める運動をしておいてください」
と言われたとのことでした。
確かに、産後の骨盤底は半年〜1年ほどかけて回復していくため、すぐに手術が必要になるケースはあまりありません。
しかし、“今どの程度ダメージを受けているのか” を評価することは非常に重要です。
今回の診察では、
- 立位で膀胱が下がる「膀胱瘤」
- 骨盤臓器脱 Stage 3
- 骨盤底筋収縮力:オックスフォードスケール1点
- 収縮保持時間:1秒
という状態でした。
つまり、骨盤底の支持力がかなり低下している状態です。
このような状態で、育児や抱っこ、長時間の立ち仕事、腹圧のかかる生活を続けると、さらに膀胱瘤が進行してしまう可能性があります。
そのため、
「まだ手術ではない」=「何もしなくて良い」
ではありません。
今回の治療方針は、
① まず“支え”を作る
ペッサリーなどを使用し、膀胱が下がり続けない環境をつくる。
② 骨盤底筋を回復させる
- 骨盤底リハビリテーション
- 正しい収縮指導
- 高テスラ磁気刺激療法(HITS™/StarFormer®など)
によって、筋力や持久力の改善を目指す。
という流れです。
ご本人はネットでいろいろ調べ、レーザー治療をご希望でした。
しかしながら、レーザーは粘膜や組織の質感改善には有効な場合がありますが、今回最も重要なのは「支える力」の回復です。
治療は、“今その方に何が最も必要か” を見極めながら組み立てることが大切だと感じます。
産後の違和感を
「そのうち治るかな…」
と我慢している方も多いですが、
- 下がる感じ
- 違和感
- 尿漏れ
- 頻尿
- 何か触れる感じ
などがある場合は、一度しっかり骨盤底を評価してみることをお勧めします。
日本橋骨盤底診療所




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